女性向ボーイズラブ催眠小説 ヒーロー派遣!不思議なバーで夢のタイムトラベル〜甘いカクテルのように危険な恋を・・ ”第1章 〜 堕ちたヒーロー 〜The lost of hero”



「ヒーロー派遣!不思議なバーで夢のタイムトラベル〜甘いカクテルのように危険な恋を・・」


第1章 〜 堕ちたヒーロー 〜The lost of hero




僕は「ジゴマ」というBARの前にいた。

裏通りにあり人通りの少ない場所にひっそりとレトロな看板がみえた。

僕の職業は売れない俳優で、今はバイトが本業になっている。


こんな僕でも数年前は、1度は主役をはり子供番組のヒーローをしていた。

戦隊もののレッドの役だった。

放映している1年間は安定した収入もあり人並・・もしくはそれ以上の生活も送れていたかもしれ

ない。なぜなら当時の僕は、子供だけでなく、お母様方から街ではキャーキャ言われアイドル並に

人気が出た分、いやむしろ人よりも良い生活だっただろう。

しかし、放映終了と共にピタリと収入はなくなった。

テレビ局のスタッフも挨拶さえしてくれなくなり、一時はホストクラブで勤めた事もあったが、

酒で体を壊してしまい続かず、今では派遣村で生活している。

今の僕は派遣の仕事が入ると、その日にコンビニに寄って買い物するのが唯一の楽しみとなっていた。安上がりな娯楽だからだ。

転職しようにも、住所不定でこの不況の折まともにサラリーマンを一度もした事もない26才の僕を雇うもの好きな会社はなく僕の人生は絶望的だった。

いや・・僕はまだこの後に及んで過去の栄光を忘れず職を選んでいるのかもしれない・・。


そんな感傷にふけっていた時、偶然「ジゴマ」の看板が目に入り僕は立ち止まった。

腐っても俳優。「ジゴマ」の名は聞き覚えがあった。

たしか大正時代に日本で爆発的にブームになった映画だ。

フランスの怪盗小説シリーズで作者はレオン・サジイ。

これを原作とした映画が公開された当時は日本で爆発的なブームとなり、多くの独自の映画・小説も作られ、子供への影響から映画の上映禁止にまで及んだ。「怪盗ジゴマ」「凶賊ジゴマ」などの呼び名もある。

かの「江戸川乱歩」の『怪人二十面相』シリーズにも、「ジゴマ」の影響があると言われている。


僕は「ジゴマ」という名前とレトロな雰囲気に惹かれまるで誘蛾灯に誘われる虫のように店内に入った。

ドアを開けるとカラン、カランと設置された鐘がなる。


店内はレトロな木造で灯りはランプのようにやわらくなぜかホっとした。

カウンターにはバーテンダーがグラスを拭いていて僕をみると軽く会釈した。

店内はひっそりとしていて僕一人のようだ。

店はレトロな雰囲気のショット・バーだった。






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