女性向ボーイズラブ催眠小説 ヒーロー派遣!不思議なバーで夢のタイムトラベル〜甘いカクテルのように危険な恋を・・ ”エピローグ”


    
「ヒーロー派遣!不思議なバーで夢のタイムトラベル〜甘いカクテルのように危険な恋を・・」


            エピローグ 〜 




店内では客の長髪の男がマスターに話しかけた。

「いや〜〜。あいつ、昔ヒーローものに出てた俳優だろ?
ヒーローもの出ると人気でるらしいな。●ニーズ顔負けのイケメンばかりだよな〜。
CMや雑誌にバンバン昔出ててさ、宣伝のわりには意外にテレビでなくなったよな」

話をききながらマスターはグラスをふいている。

「まぁ、この不況でか今はお笑い芸人ブームかしらないけど俳優の仕事なさそうだしな。
仕方ないっか。あれだろ?お笑い芸人使った方が単価も安いし制作費のコスト下げれるからだろ?いや〜、俳優って商売も大変だね〜。あの兄ちゃんなかなか男前だったのに・・・」

とたった今店から出た客の話をしていた。
今、「ジゴマ」にいる客は一人。
色は浅黒く精悍な顔立ちをした男だ。男臭くてワイルドで野性的な魅力がある。

髪は長髪でシャツのボタンはとめず胸元まで開き、長身でスリムだがシャツからのぞく胸は鍛えられている。一見バンドマンみたいな服装だ。

「中華」と書かれた赤い箱から金色のタバコを出しジッポーのライターで火をつけた。

「そうそう、マスターこれお土産」とタバコを1カートン渡した。

「中華・・ですか・・。珍しいタバコですね・・」

「あ〜それ北京で買ったタバコ。
それ、1カートン約1万円もするんだぜ〜。元にすると660元だっけ?
金持ちの中国人はこんなバカ高いタバコ買うのがステイタスっていうから不思議だよなぁ〜。
それにこのタバコ柄が金なんだぜ?
世界で一番高いタバコをマスターの為に買ってきたわけよ〜」

「それはどうも・・」

「ま、日本の空港で買った方が安いんだぜ。免税店で4000円で買えるんだけどね。
でも味が違う。日本で買うと日本人好みの味だ。
タバコも国によって味が違うから面白いよな〜。

ところで、あの兄ちゃんに例の催眠術かけたんだろ?

なんですんなり帰したんだよ。

もったいない・・。

あいつは稼ぐぞう〜〜。

男でも女でも買い手がありそうだしな。ちょっと落ちぶれてるけど坊ちゃんって感じで操りやすいだろ?」

ここ「ジゴマ」は男色家が集まる店として知る人ぞ知る隠れたスポット的なバーだ。

だから、客寄せの花を用意しなければならない。

美しい男が迷い込んだら催眠にかけ洗脳し店の華となる。

少年は・・・娼年へ。

売春夫へと洗脳し男達の相手をさせる。



バーは「ジゴマ」の名前の由来通り人々から大切なものを盗む。

心だ・・・。

一時の夢と快楽を与えるかわりに・・。

グラスを磨きながらマスターは


「彼はマッチ売りの少女になる事を選ばなかったんですよ・・・」
とクスリと笑った。

「はぁ??マッチ売り??あのマッチ買ってくださいって声かける?マッチじゃなくて体買ってくださいって言ってたりしてな。なんか厭らしそうな響きでいいな、それ。」

マッチ売りの少女はマッチをつけてる瞬間だけ夢をみていた。最後は自ら現実に戻れず夢の世界を選び死んだ。

しかし、先程の客は違った。自ら現実に向き合い戦う決心をし自分の殻を割る事で催眠を解いた。

「しかし、おまえさんも人がいいよな〜。
友達のよしみで言うけど店の経営苦しいんじゃないの?
幼馴染の金貸しの俺にまで借金してさ。
オヤジさんの為にせっかく音大に留学してたのに辞めて、こんな店のマスターになってさ。
ニューヨーク大学のポーツマス校に通ってたっけ?
ピアニストになろうとしてた男がたまに道楽でバーの自分の店で演奏するなんてさ〜。
まぁ、あんたさえその気だったら借金チャラにしたっていいんだけどさ・・・
なんなら、イタリアでもドイツでももう一度留学させてやって演奏会のパトロンになってやってもいいんだぜ?」

と腕を首にまわし唇を耳に寄せた・・。

「結構・・!友情は大切にしたいですからね・・。」

と手を振り払った。男は「お〜こわ〜っ」というように冗談ぽく大げさにジェスチャーをし酒を注文した。

その時電子レンジが鳴った・・。

さっきの客に出した「ジゴマ」の隠しメニューだ。

トーストにきんぴらごぼうがのっておりマヨネーズがかかっている。

皿に置きマスターは「いかがですか?」と尋ねたが、男は「いらない」とでもいうように手を振った。

「おまえさんも好きだねぇ〜。貧乏くさいから似合わないぜって言ってるのに」
と言ったが・・
「フフフ・・・このメニュー誰が教えてくれたんでしたっけ?」


そういえば、さっきのお客はこのメニューを美味しそうに食べてたっけ?

彼が帰る間際こっそりポケットになけなしのお金を戻しておいた。

願わくは彼の人生が明るい未来でありますように・・・。

と考えながら店の常連客であろう幼馴染の前できんぴらごぼうのトーストをパクつき、美味しそうにカップ味噌汁を飲んだ。
















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