快楽のために・・・

ゴンッ・・・

鈍い音と共に、俺は目が覚めた・・・

「ここは、どこだ・・・」

周りを見渡しても、生き物の存在すら感じさせない無機質なコンクリート製の壁が

一面に広がるだけだ・・・

そして今、目の前にあるのは鉄格子。

思い切り、叩いたり、揺すったりしても、ビクともしない・・・

「クソッ・・・」と、言った声が壁によって残響として響いた・・・

「俺は、誰なんだ。そしてここは、どこなんだ。」考えてみるが、思い出せない・・・

思い出そうとすると、何かがもやをかけてしまって思い出せない・・・

コツッ、コツッ、コツッ・・・

誰かの足音だ!

「お〜い。誰か、ここから出してくれ〜。」

俺は、必死に叫んだ。

「フフフ・・・」と、薄気味悪い笑みを浮かべて一人の女がやってきた・・・

「やっと、目が覚めたようね。」

女は言った。

「おい!俺は誰だ。そしてここは、ドコだ!」

俺は、鬼のような形相で女に問いかけた。

「あら、記憶を失っているようね。いいわ。教えてあげる・・・」

「あなたの名前は、吉川健太よ。そしてここは、ある秘密結社の洗脳施設よ。」

「じゃあ、お前は誰なんだ!」

俺は、さらに問いかけた・・・

「私の名前は、森本すみれ。しいて言えば、あなたの教育係よ・・・」

「今、私達は新しい諜報員、つまりスパイが欲しいの・・・

それでね・・・たまたま、運動場で運動していた運動神経抜群のキミを私が

見かけたの・・・それでね、ボスにそれを報告したらつれて来いって事になって

簡単に言えば、拉致してきたの・・・」

「何だって!俺は、スパイになるのなんかごめんだ!早くここからだせよ!」

「それは、無理ね・・・だって、あなたはボスにまで目をかけられているんだから。

だから、今からここで洗脳を始めるの・・・あなたが、何かをしでかす前に・・・」

女は、こう言った。そしてその後、俺の居る部屋に入ろうとした。

「逃げるなら今だ。」そんな考えが俺の頭の中をよぎる。

俺は、開いた鉄格子から外に出ようとした。

その瞬間、「パンッ」と、乾いた手を叩く音。

俺の、体の動きがピタリと止まってしまった・・・

「何なんだ・・・」

「ああ、そうそう。こんな事もあろうかと、手を叩く音を聞くと体の動きが止まる催眠をかけておいたわ

今、もうすでに催眠状態になっているからこのまま洗脳を始めるわフフッ。」

「さあ、私の目を見るのよ。」

頭の中では、見てはいけないことが分かっているのに体が勝手に反応してしまう・・・

「フフ、いい子ね。私の目を見ているとだんだん体の力が抜けていく・・・

まず、足。次に腕、そしてまぶた・・・どう?私の声が直接、脳に響いているようでとっても気持ちいいでしょ。」

俺は、負けてはいけないと分かりつつも感じた事のない未知の快感に体が反応してしまう・・・。

「これから、私の言う事は絶対よ!」

不意に、女もといすみれの口調がきつくなった。そのギャップの激しさからか、驚きつつも受け入れてしまう自分がいた・・・

「僕は、すみれさんのしもべです。すみれさんの言った事は全てやり遂げます・・・

さあ、分かったなら、私に向かって言ってみるのよ。」

「僕は・・・す、すみれさんの・・・」

ここまで、言った時にわずかに残っていた理性が働いた・・・

「お、俺は・・・お前のしもべなんかじゃない!」

残っていた、力を振り絞り俺は言った・・・

「あら・・・強情な子ね・・・。あなた、今とてもいい気持ちでしょ?私のしもべになって一つ仕事を

成功させるたびにこの快感を味わうことができるのよ・・・。それでも、嫌なの?」

それを聞いたとたん、俺の最後の理性は吹っ飛んだ・・・

「分かったようね・・・。さあ、もう一度言ってみるのよ・・・」

「僕は、すみれさんのしもべです。すみれさんの言った事はすべてやり遂げます・・・

そして、もう一度この快感を味わいたいです・・・」

「あらあら、そんな事は言ってないけどまあ、いいわ・・・完全に堕ちたようね・・・」

俺は、催眠という快楽のためだけに生きるスパイになった・・・

 

 




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