第五話

雅夜「うう…、あ、あん、あん。」

男「くくくく。」

雅夜の胸をじかにもみ、かたほうの三つ編みの髪の毛をひっぱって雅夜をもだえさせているものの正体は、雅夜に対する好意というより妄想を強く抱いている男ののりうつった巨大グモのようであった。制服や下着をまくりあげられている雅夜の身体の上には、クモの糸が張られていてその上をつたっている何匹ものクモが列をなしていた。雅夜の三つ編みにしている髪の毛先から股の上のアンダーヘアーとの間に張られている糸のようである。そのアンダーヘアーにはクモの卵がうえつけられて、そのヘアーからクモがぞくぞくと生まれてきているようであった。

雅夜はもちろん、襲われている男にはけっして好意を持っていなかった。男が催眠をかけてあやつっていたのである。

雅夜「ああ、ああ、ああ…。」

男「ふふふふ。きもちいいか。きもちいいと言え。」

雅夜「ああん、きもちいいわ。」

男「ふふふふ。ほら、おまえのからだからいっぱいクモが生まれてくる。だからこれらのクモはみんなおまえの子どもだ。おまえはしっかりそだてなければいけないんだよ。」

雅夜「はい、ううん、しっかり育てます。わたしのかわいいこどもたち…、ああ、ああん。」

男「ひひひ。おまえはこんなにクモを生んで、いやらしいと自分でも思っているだろう。思っていると答えろ。」

雅夜「はい、わたしはいやらしいです。ああ、ああん。」

男「どうしていやらしいか、具体的に言ってみろ。」

雅夜「男の…、男のおちんちんをなめたりしゃぶったり、かみついたりしたいとひごろから思ってばかりいたからです。ああん。」

男「よおし、おまえは自分のことをブスだと思うか、言ってみろ。」

雅夜「はい。わたしはブスです、うう…、ああん、ちいさいときから男の子に相手になってもらえませんでした。」

男「ほお、そうだったのか。じゃあ、バスのなかでおれがおまえのことを好きだったのに気づいていたか。」

雅夜「気づいてました。ああん…いつも、わたしのことをじろじろとみて…、おちんちんが立っていたのがわかりました。」

男「それなら、おまえはおれの好意にこたえてくれてもよかったろう。ほかに相手にする男がいないんじゃあな。」

雅夜「あなたは…、わたしのことをただ、こうやっていやらしいことがしたいと思っていただけで、ああん…ほんとうに愛しているとは思えませんでした。」

男「そんなことがわかるのか。」

雅夜「わたしの長い髪の毛を見ていただけです。あなたは…、髪の毛を見て興奮していただけ。ああん…バスがゆれてわたしの髪の毛があなたの手にふれたときによくわかったのです。」

男「そうか、でも、この髪の毛を切ろうとは思わなかったのか。」

男は、雅夜の三つ編みの超長い黒髪をまたひっぱって、雅夜が悲鳴をあげていた。

雅夜「ああん…、自分のために、好きで長くしている髪の毛です。ちいさいときから長くしてましたから。」

男「ふふふふ、それだったら、おれのような長い髪の毛を見ると興奮する、いやらしい男に狙われて髪を長くしたことを後悔してないのか。」

雅夜「わたしは…、わたしはいやらしい女ですから…、ああん…髪の毛がすぐのびてしまうので、しかたないと思ってます。でも、切る気はありません。」

男「そしたら、もうどこまで長くするんだ。地面につくぐらいか。」

雅夜「そうです。ああん…地面をひきずるぐらい伸ばします。」

男「そんなに髪の毛長くしてどうするんだ。」

雅夜「わたしの…ああん、わたしのかわいいこどもたちのクモのすみかにするのです。こっちの…ここでたまごをうんで育ったくもがうつってきて…、たくさんクモがうまれてるから、もっと髪の毛を伸ばしてすみやすいようにするんです。ああん…。」

男「もう、おまえの髪の毛のなかに何匹いるんだ?」

雅夜「ああん、百匹以上はいると思います。」

男「さぞかし、そんなにいるとわかったら、おまえに近づかれるとみんな気持ち悪いと思うだろうな。」

雅夜「はい、ああん…もう、なれています。みんなおそって下僕にしています。」

そこへ、下級生の女子生徒と見られる少女が便所を借りようと入ってきたのであるが、少女は雅夜の痴態を見て驚くばかりであった。

少女「まあ、なあに?これは。」

雅夜「あなた、まだクモ女になっていないわね。この学校の者はほとんどクモになったはずなのに。」

少女「風邪をひいてずっと休んで今日出てきたら、みんなへんなふうに…、はっ。」

雅夜の姿がだんだん毛むくじゃらになり、わきの下や股のアンダーヘアーからも毛が手に化けて伸びてきたのであった。

男「ふふふふ、つづきはまたあとで楽しませてもらうよ。」

少女「きゃあーっ!」

廊下に逃げようとした少女だが、ほかのクモ女になっている女子生徒たちも反対側からやってきて逃げられなくなってしまった。

雅夜「うふふふ。おまえもあの子たちの仲間になるのよ。こわくないからだいじょうぶ。」

少女「たすけて!」

雅夜「わたしのクモを。」

少女「ああっ!」

雅夜がその女子生徒に正面から抱きつくと、自分の三つ編みの両方のおさげ髪を前に垂らして女子生徒の肩にかけ、その髪を女子生徒の頭に巻きつけて毛先からクモを侵入させるのであった。おかっぱ頭の女子生徒の髪からもまだらの液があらわれ、女子生徒の顔をその液で覆ってしまった。倒れて起き上がった後、女子生徒の身も心も完全なクモ女と化したのであった。

 

その頃、幸子は妖怪研究所の研究員である藤岩木綿子の運転する自動車に乗って郊外の実験所に案内されていた。

藤岩「学校をお休みということにしてあるから、近くに姿を見せないほうがいいわね。この機会に紹介しておくわ。毒グモの研究所がここよ。」

幸子「まあ。」

藤岩「いちおう、外側からは入れないようにしているけど、なかにはたくさんのクモがいるわ。どうもうで大きいのもいるし。」

幸子「そうなんですか。」

藤岩「ガラス張りになっているから、見ていく?気持ち悪いと思うかもしれないけど。」

幸子「いえ、見ておかないと、なれなくなりますから。」

こうして、藤岩に案内されて外側からクモのようすを見ることにした。

藤岩「おなじクモでもいろいろ種類がちがうけれどね。」

幸子「あの、問題のヘアスパイダーっていうのもいるんですか?」

藤岩「それが、このなかにはいないわ。みなこわがってつかまえようとすることができなくて。」

幸子「まあ、そうなんですか。結局、写真でしか研究する方法がないんですね。」

藤岩「ある意味、似た習性のクモを使っていろいろ実験をしてみているんだけど、人の髪の毛のなかに入れるのはこわいし。」

幸子「それにしても、よくあんなにクモを集めることができていたんですね。」

藤岩「クモが好きな男の人がいてね。もともと趣味だけだったけれど、貴重だからといってその人を職員として雇うから集めたクモを研究所に預けるよう頼まれると、最初は拒否していたけど、こうして立派な研究所をつくって一緒に住まわせるからということでなんとかなったわ。」

幸子「そのひと、いるんですか?」

藤岩「人にはまず会いたがらないから、出て来てもらうのは無理よ。あいにく、ヘアスパイダーのことまでは知らないらしいし。」

幸子「そうですか。」

幸子はうつむきかげんになった。自分の家族や親戚がみなヘアスパイダーに襲われて変なふうにされているのをなおすこともできないのが残念だと思った。

藤岩「おうちのひとたちのことが心配でしょうが、いまはそれを考えてはだめよ。」

幸子「ええ、でもわたしはどうすればいいのか、学校をずっと休んでいるわけにもいかないし。」

藤岩「あなたの学校って、たしかおうちのとなりにあるってきいたわね。」

幸子「ええ。」

藤岩「そっちのほうにも行ってみましょう。」

 

幸子の家では、母親だけが残っていてあとの者はみなふつうに学校に通っていた。もちろん、正体がクモ女であることを隠して、学校のほかの者も仲間にしようとしていたのである。幸子の三人いる弟妹は同じ小学校にいるため、ひとり真ん中の嗣美だけが幸子の高校にも侵入して仲間をふやそうとしていたのであった。

嗣美は教室の天井裏にいて、だれがいちばん狙いやすいかを見ていた。姉の幸子がいるクラスに入り、もちろん幸子は欠席して空席があった。そのために、その後ろにいる坂井五男(さかい・いつお)が幸子の席の一つ前にすわっている仁木那樹(につき・なぎ)という女子生徒の後ろ姿を見てハアハアしているのが目にとまった。那樹はやはりロングヘアで前髪も伸ばして背中に広げて腰までおろしていた。その黒髪を好む髪フェチの五男を見つけたのである。ちなみに、同じクラスでも五男は那樹とは話し合ったことがなく、那樹には五男の好意が気づいていない一方的な片思いだった。

嗣美「うふふふ。獲物は決まったわ。」

休み時間に五男が男子便所の大の一室にかけこみ、制服のズボンのベルトをはずしていた。那樹の後ろ姿を見て興奮し、精液まで出ていて下着がだいぶ濡れていることがわかったのである。

五男「あの子の長い髪の毛を見ただけでこんなに…、はっ。」

便所の天井から一匹のクモがおりて五男の下げていた下着のなかにもぐりこんだのである。五男の性器のまわりにあるアンダーヘアに入ると、五男はとつぜん頭が痛くなってきていた。

五男「ううっ、苦しい…。」

とうとうそこへ、天井にはっていた嗣美がおりてきた。嗣美はいつも三つ編みの髪を輪にしていたが、その輪を解いてツインテールの三つ編みを左右に垂らしていた。

嗣美「うふふふ。」

五男「うわっ、こんなところにどうして小学生ぐらいの女の子が…。」

五男は嗣美の三つ編みにしている髪の毛を見るとまた性器をたたせたのであった。しかも、露骨に見せたままで恥ずかしくなった。

嗣美「おほほほ。あなた、長い髪の毛の女の子が好きなようね。希望をかなえてあげるわよ。」

五男「あの…、はっ。」

嗣美「うふふふ。」

恐ろしいクモの正体を見せて嗣美は五男に襲いかかったのである。

五男「うわーっ!」

嗣美「うふふふ。あなたの陰毛にもぐりこんだクモをあなたの好きな子のところに運んでその子をクモ女にするのよ。」

嗣美の口からはかれた糸が五男の首にまきつき、五男の口にも侵入してがくっと気を失ったのであった。そして、気絶して倒れた五男を抱えて嗣美は天井裏にまたとびあがっていったのであった。すぐとなりの女子便所に移るためである。

となりの女子便所の一室に、ちょうど五男の好きな那樹が入ってきたのである。嗣美は五男を目覚めさせて那樹にとびかかるよう命じた。

嗣美「いまよ。」

こくりと首をたてにふった五男が、那樹が制服のスカートのホックをはずして下着をずりおろし、洋式の便器にすわろうとしたところに五男が那樹の背中からとびかかっていた。ちょうどあこがれの長い黒髪におおわれた背中に抱きついてきたのである。

五男「くくくく。」

那樹「きゃあーっ!」

那樹の両肩からえたいのしれない手が見えて、那樹は驚くのであった。五男もズボンや下着をずりおろしたまま那樹の背中に抱きついて露骨に出ていた性器を那樹の尻に押し付け、五男の陰毛にもぐりこんでいたクモが那樹の髪に移っていったのであった。

(つづく)

 

 




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