軽音楽物語〜第1話〜
「しっかし女の人が多いなぁ・・・」
なんてことを思いながら、校舎に足を踏み入れる。無理もない、自分が入学した大学はほんの2年前まで女子大だったのだから。数年来問題になっている少子化の影響を受けて共学化したのが2年前ということは、3・4年生は女性ばかりである。
「えーと、軽音サークルの部屋はどこだろう?」
入学して2日目、早くも自分の入りたいサークルに向かおうとしている俺の気楽さと言ったら・・・
でも、元お嬢様大学だけあって敷地面積だけは半端なく広い。あっちこっちで人に尋ねながら何とかお目当ての場所にたどり着くことができた。
「失礼しまーす。」挨拶しながら部屋に入る。中にいた3人の上級生と思しき人たちの視線がいっせいに集まった。
「もしかして、入部希望者?」その中の一人が口を開く。
「ええ、そうですけど・・・」
女子大生たちの表情が一気に明るくなった。「よかったぁ。このサークル人が集まらなくってさぁ・・・。でも、君が来たからもう安心だねw」
「そうそう、誰も来なかったらどうしようって今相談したんだよ〜」と、隣にいた上級生が言った。
「じゃあ、とりあえず自己紹介するね☆私は美紗子。一応部長でボーカルをやってるわ。隣の髪の長い子がひかり。ギターをやってもらってるの。で、最後にこの子が麻衣。ドラム担当ね。え〜と、聞くけど君の弾けるパートは?もしかして、誰かとかぶっちゃってる?」
「いえ、自分はベースなので大丈夫ですよ。あ、自己紹介遅れてすいません。健太って言います。これからよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね〜。じゃ、とりあえず君の実力を知りたいから何か弾いてもらえるかな?そこにあるベースつかっちゃって良いから。」
さて、何を弾こうか・・・。ベース単体である程度かっこいいのを弾きたいが。
ヴィクター・ウッテンのAmazing Graceでも?いやいや、俺にあんな難しいのは弾けないぞ。無難にジャコパスの曲でも弾いてみるか?ま、それが良いだろう。と、とりあえず
Portrait Of Tracyを弾いてみる。
「お、ジャコパスなんて君も立派なベーシストだねぇ。」と、弾いている途中に諸先輩方からの茶々が入ったが何とかミスをしないで弾くことができた。
「うん、この実力なら即戦力間違いなしだね。」と、美紗子先輩が言うと残りの2人もうなづいた。「今日はここくらいまでにしておいて、うちで親睦を深めるためにパーティーするぞ〜。」「お〜。」美紗子先輩が叫ぶと同調の声が聞こえてくる。「もちろん、君も来るよね?」
と、言うか言わないかの間に周りを囲まれてしまった。どうやら自分に選択権はないようだ。「じゃ、じゃあお言葉に甘えて・・・」
「そうと決まれば、早速行くよ〜。」と、美紗子先輩に手を引っ張られながら公舎内を疾走し、車に乗せられた。
〜30分後〜
「とうちゃ〜く。」美紗子先輩は楽しそうだが、先輩の荒い運転のせいで車酔いした自分の顔は真っ青だ。
「あれれ、どうしちゃったの?気分でも悪い?」
「いえ、大丈夫です。とりあえず、着いたなら入りましょう。」
と、自分で急かし家の中に入った。先輩たちが意味深な笑みを浮かべていることも知らずに・・・
「料理作るから、何か飲んで待ってて。お茶がいい?それとも、コーヒー?」
ホントは飲みたくはないのだが、進められた手前むげに断ることもできない。とりあえず、コーヒーをもらう事にした。
「はいどうぞ。熱いから気をつけてね。」先輩はニコニコしているが何かがおかしい気がする。まあ、気のせいだろうと自己完結させてありがたくコーヒーをいただいた。
「味はどうかな?私もちょっとはこだわりあるから自分流でブレンドしてみてるんだけど・・・」
「とってもおいしいですよ。」その言葉に実際、偽りはなかった。だが、何かがおかしい。何か、薬のような味がするというか・・・
そんなことを考えていると、だんだん眠くなってきた。まさか・・・
と、可能性を探ろうとしたが時すでに遅し。自分の思考力は薬の作用によって奪われ、眠りに落ちてしまった。
「お〜い?」(ぺちぺち)「起きないね。美紗子〜、ちゃんと効いたみたいだよ。」
「じゃ、気づかれると困るからさっさと運んじゃいますか。ベッドまで連れてくよ〜。」
〜寝室〜
「ふう、疲れた。この子結構しっかりした体してるね。この後が楽しみだなぁ。」
「そんなこと言ってないで、四隅にくくりつけるの手伝ってよ。」
「はぁい。うふふ・・・」
3人の上級生たちは健太の体をてきぱきとくくりつけていく。
「さて、後はこの子が目を覚ましてからのお楽しみ。それまでは各自きゅうけ〜い。」

続く・・・




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