読者のみなさん、毎日お暑くございます。

今回、ここにお届けするお話は、人間の持つちょっとしたいやらしい心に目

をつけた侵略者がそれを利用して世界を征服しようというものです。

たとえば、男の子は女の子を好きになる場合にいろいろな理由がありますね。

それはもちろん、顔がかわいいとか、体形がいいとか、外見だけですぐ好きに

なってしまうことが多いようです。

なかには、部分的なところに目をつけてそれだけで好きになる場合もあります。

 

その例が、大きな胸…おっぱいであったり、お尻であったり、またきれいな

足だったり、いずれも男が持つことのできないものにあこがれが強いせいだか

らと言われています。

意外と表向きの理由として出てこないのは、このお話でもおもなアイテムにな

っている髪の毛についてです。

子どもの頃、どうして女の子はあんなに髪の毛を長くしておさげや三つ編み

などいろいろな髪形をしたり、リボンやヘアゴムなど使って髪の毛につけるこ

とができるのに、男の子はどうしてそれができないんだろうという疑問を持っ

たことってありませんか?

実は、やろうと思えばできることなのに許されていないのが不思議だったりし

ます。

まあ、そういう女の子のことを好きになるというより、その女の子のしている

ことがうらやましくてしかたがなかったのかもしれません。自分も女の子に生

まれたら、ああやってほかの女の子に自分の髪をなでられたりしてみたいとか。

 

いずれにしてもそんなことを考えるくらい、なんとなく男らしくないような、

どちらかといえば女性のような性格の男に多い、女性の奴隷のような男たちで

す。いわゆる「髪フェチ」といわれる人たちですね。

いっぽうでは、女の立場からみれば男のほうがずっと恵まれている世の中では

ないかという声も多々あります。

特にわが国の政治的権力は男がほとんど握って、国会議員や大臣の大半が男で

あるゆえ、女の声が届きにくく、女にとっては理想的ではない、いわゆる男社

会と言われているゆえんです。

もし、それらの立場が逆転してしまうようになったら…ひょっとしたら、そ

のような世界になればいいと思っている人たち、特に女性には多いのかもしれ

ません。

それだったら、いまの地球人では男ばかり力が強くてとてもそんなことは不可

能だからと、いっそ宇宙からでも侵略者が来てくれないかしらと願っている女

の人たちが多くなるのも無理はないでしょう。

とうとう、そんな数多くの女たちの願いが、宇宙に届くようになってしまい

ました。

願いを受け取ってかねてから地球を自分たちのものにしようとしていた侵略者

は、事前調査をさっそくおこないました。

「ふふふふ。男のなかにも、女になりたがっている者はけっこういる。」

侵略者たちは、まず日本に上陸しました。

「ふふふふ、この国では特にきれいな黒髪を持つ女がたくさんいて、その黒

髪に心を迷わせる男も大勢いると聞く。まず、その者たちをおびきよせるがよ

い。手はじめに、十人ほど…。」

分散した侵略者は、大都市の特に人のたくさんいそうな場所から対象となる

者を狙っていました。

とうとう、最初のひとりとして、いきずりのOLでお尻まで髪を長くしている

女の、その髪の毛のなかにミクロ化してしのびこんだのでありました。

べつの侵略者は、ある私立の女子高校に入ってやはり髪の毛を長くしている女

子生徒の髪の毛のなかにミクロ化して侵入したのでありました。

三つ編みをしている小学生の髪のなかにも侵入していた侵略者もいました。

侵略者の主の予言通り、十人ほどの選ばれた女の髪の毛のなかに侵略者がミ

クロ化していきました。

その、真夜中に恐ろしいことが起きていました。

ミクロ化して女の髪のなかに侵入していた侵略者は、もとのように大きさを

戻して女が寝ている傍らに立っていました。

そして、侵略者も下半身に身につけていた服らしきものをずりおろしはじめま

した。

なんと、そこからは地球の人間の男が持っている性器…いわゆるお○んち○…

と同じ具が出て、しかもそれを女のおろしていた髪の毛のなかに挿入させて興

奮した侵略者が精液を出し、女の髪を濡らしていったのです。

別の家では、束ねていた髪が性器に巻きつけられたりして精液で汚されていた

りしました。

三つ編みをしていた少女の二本のおさげ髪も、左右から侵略者の性器に巻きつ

けられて精液で汚されていきました。

女たちの髪を覆っていった白い精液は、女の髪のはえぎわに吸い込まれて消え

ていきましたが、女の身体が一瞬あちこちでふくらんだりしぼんだりして、全

身にいきわたっているようでした。

「まずは、最初の実験が成功できそうだわ。」

不気味に、口に手をあてている侵略者の主は女でした。そして、人間の女性

に寄生させていた侵略者たちは男で、すべて女があやつっていたのでした。

「最初の実験台として成功すればこの女たちにも特別の地位を与えてやるわ。

ふふふふ。」

 

 

恐怖の眠らせ髪

 

 

(ここから、本題につき、「です」「ます」の文章をやめます)

 

ある日曜日のこと、郊外を走るバスのなかで事件が起こった。

受験のための進学塾に通おうと、高校一年生の中野紀美也は、自宅近くのバ

ス停留所よりそのバスに乗っていた。バスはこの日にかぎって乗客が多く、ち

なみにこのバスは中間と運転席脇の双方に扉のある、後乗り前降り方式のバス

であったが、紀美也はそのバスに乗り込んでもなかなか奥へ入ることのできな

いぎゅうづめの状態であった。

途中からも、多くの乗客が乗ってきて、紀美也の身体は前方へと押し流され

ていった。バスもとつぜんの横入りなどで急停車したりして、満員の乗客の、

特に座っていない乗客の身体が押し流されるようなかっこうになっていた。紀

美也も、おとなの乗客にまじりながらなんとか身を持ちこたえていたが、ある

市街地まで来たところで少しずつ降りていく乗客もあって、とくに病院のある

ところで老人がかなり降りたところで少しすいてきたが、それでも空席はなか

った。

やがて、紀美也の前方で、逆にその病院から乗ってきた老人に座席を譲った

二十歳前後の若い女性がいた。

「おばあさん、この席へどうぞ。」

「まあ、すみませんです。」

その女性が、紀美也の立っているちょうどすぐ前に背中を向けながら立って

いたのである。女性は、黒髪を腰からお尻のあたりまで長くしていて前髪も白

のヘア・バンドをかけて後ろにおろしていた。背中いっぱいにひろがる黒髪の

後ろ姿を間近で紀美也は眺めていたのである。

……いいなあ、この女の人の長い髪の毛、自分も女性に生まれたら、こんな

髪の毛になりたいなあ。いや、男のいまでもこんなに長くしてみたい!

そんな、紀美也の性格はもともと女性的なところがあった。

紀美也は、しばらく女性の長い黒髪をバスの車内でずっと見続けていた。ヌー

ド写真やビデオを見るより、こうした長い髪の毛を見て興奮してしまう、いわ

ゆる髪フェチの性格だった。げんにいまも興奮していて、まるでその女性の黒

髪に心が吸い込まれていくように紀美也は感じていた。

「はっ、ううっ。」

事実、紀美也の身体は女性の黒髪を見つめているうちに、だんだんもだえて

くるようなかっこうになってきた。バスに乗り物酔いしたのかもしれないが、

自分の目の前が髪の毛だけしか見えないような錯覚に陥ってしまい、やがて頭

がくらくらしてくるというような状況になって、ついにその場で後ろに倒れて

気絶してしまった。

ばたっ!

乗客のひとりが気付いて、運転手に声をかけた。

「たいへん、運転手さん、男の子が倒れてます。」

「どうしました?お客さん。」

そのとき、紀美也の前方に立っていた長い黒髪の女性が横に入って声をかけ

た。

「あの、この男の子、じつはわたしの弟なんです。ふだん、無視しあってい

るんで声かけなかったんですが、つぎの停留所で降りて病院に連れてきますの

で。」

「まあ、お姉さんだったんですか。」

「料金、ふたり分払っておきますわ。」

女性は、紀美也を抱き上げてバスから降りた。むろん、ほんとうは姉弟でも

なんでもない、まったくのたがいに面識のない二人だった。だが、この女性は

運転手や他の乗客に自分の弟であると偽って降りていった。そして、紀美也を

抱きかかえながら口に手のひらをあてて不気味に笑っていた。

「う、ふ、ふ。」

なにやら、あやしげなロングヘアの女性だった。

 

 

 

こちらは、紀美也と同じクラスにいる岩井百合子の兄で大学浪人中の純三とい

う、やはり髪の毛が長い女の子に昔から憧れを抱いている「髪フェチ」だった。

しかも、男子校に通ってますます女の子とは縁遠くなっているため、より女性

に対する性的な思いを抱くようになっていた。ちなみに、百合子は昔からショー

トカット一筋で通していたから、純三にとっては当然対象外であった。

純三は、予備校からの帰り道に、事件に巻き込まれていた。交差点で信号待

ちをしている間、塾通いの小学四年生の少女の真後ろに立ってしまい、その少

女は首のうなじのあたりに髪の毛をひとたばで白いゴムで結んでいた。少女の

髪の長さは、最初は着ている服が黒っぽかったのでよくわからなかったが、ス

カートの下裾にかかるくらいあるとわかって、純三はそのとき急に興奮してしまっ

た。

…いいなあ、こんな子供でも女の子だから髪の毛を長くできるなんて、ああ、

ぼくも長くしてみたい。

少女も、四年生という学年では背の高いほうであった。黒髪が純三にとって

はより魅力的に見えたが、そのままじっとその小学生の後ろ姿を見続けてだん

だん頭がくらくらとしてきていた。

「あっ、ああっ。」

純三は、その場にたおれてしまっていた。小学生の少女がすぐ振り向いて、

純三の身体を抱きかかえはじめた。

「うふふふふ。」

髪の毛を結んでいた少女も不気味な笑い方をしていた。

 

 

 

百合子と同級生のもっとも仲のよい小原孝子にも、弟で髪フェチの男の子がい

た。中学二年生の悦樹といって、同じクラスにはなったことはないが、以前か

ら好意を抱いていた同じ学年の少女がいた。岡京子という、髪の毛をいつも古

風な三つ編みにしていた少女だったが、女学生によくある直接編んだ形のおさ

げではなく、耳もとにツインテールのようにまず黒いゴムでそれぞれゆわえて

垂らしていた髪の毛を三つ編みにするという髪形で毎日通学していた。

最初の一年生の時は肩のあたりに三つ編みの毛先がかかる程度だったが、だ

んだん伸びていまはお尻の上に届くぐらいになっていた。背が高いため、髪の

長さはより、それだけ長くなっていた。

三つ編みをほどいた姿も時々見たことのある悦樹だが、ツインテールまでほ

どいた姿は見たことがなかった。一回、見てみたいと思っていた。

その、京子のいつもの髪形をしている姿を、たまたま昼休みに廊下で見かけ

ていた。この日は午後が体育の授業で、しかも悦樹と京子のクラスはとなりど

うしだったため、男女がわかれてそれぞれ2クラスずつ一緒に授業をやること

になっていた。したがって、ふたりとも体育着であった。ちょうど、京子も体

操着に着替えてその後ろを悦樹が歩くようになり、同じ体育館のほうへ向かっ

ていた。京子は、両方の三つ編みの髪の毛を背中に払い除けて揺らしながら歩

いていた。

三つ編みの髪の毛が揺れるような姿を見て、悦樹はだんだん胸をときめかせ

るようになっていた。しゃべったことは全くない相手で、ただ長い髪の毛にあ

こがれているだけである。だが、京子との距離がだんだん近づくうち、悦樹の

目にはいつのまにか、三つ編みの髪の毛だけしか目に入らなくなっていた。そ

して、その三つ編みに興奮してぼおーっとなってしまった悦樹は、その場で前

に倒れてしまったのであった。

そのことに気付いたのか、京子は後ろを振り向いて倒れている悦樹の身体に

近づきはじめた。

「うっふっふふ。」

京子は、なにやらいやらしい感じの笑い方で手のひらに口をあてていた。目

も光っており、悦樹の身体をとうとう抱き起こして、体育館には入らずに裏側

のほうへつれていったのである。

少女たちのあやしげなしぐさは、まるで悪魔が乗り移っているよう、いや、

ほんとうに悪魔になっているかもしれない。

 

 

 

気絶していた紀美也が目をさますと、自分はある狭い部屋のベッドに寝かされ

ていたことがわかった。

「ここは…、ぼくはそういえばもしかして、はっ、髪の毛の長い女の人に見

とれておかしくなってたんだ。あっ。」

扉がギギーと開いた。そして、髪の毛を長くして前髪も後におろしていたさ

きほどバスでいっしょだった女が入っていたのである。

「もしかして、おねえさんはこの家の人?うぐっ。」

紀美也は女によって手のひらで口を押さえられた。

「うふふ。」

「ううっ、おねえさん、なにをするの。」

この女は、侵略者が最初に見つけていたOLであった。果たして、最初の毒

牙にかかった少年は…。




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