第六話

   

  「ああ…ああ…。」

「くくくく。」

 

 

 里美子のひとまとめにしている黒髪をわしづかみにしながら、雅美は興奮の度合いを高めていた。いやがる里美子の身体をむりやり抱きしめ、性器を挿入させてまた自分の伸ばした三つ編みの髪の毛を里美子の首の両側から巻きつけ、苦しめていた。里美子も雅美の胸に顔をうずめざるを得ない状態になってゆき、顔色がだんだん

変化してゆくのであった。

 

  「ふふふふ、顔をあげな。」

 

  かわいらしかった少女の顔が、うってかわって恐ろしい形相になっていた。

 

  「よーし。おまえはおれの手下になったから、おれのいうことはすべてきくのだ。わかったな。」

 

  里美子はうつろな表情のまま、首をたてにふって答えるのであった。

 

  「よし、そしたらまず、おれのここをしゃぶりつづけろ。」

「はい。」

 

  里美子は、心ならずも言われたように雅美の性器に口を加え始め、なめ続けたりするのであった。

 

  「ひひひひ。ひひひひ。」

 

  雅美はまた里美子の胸や尻をさわりたい放題でもてあそぶのであった。

 

  ところが、ふたりのたわむれていた浴室にまた別の者が入り込んできた。

 

  「はっ。」

「ふふふふ。さっそく女の子を犯したわね。女の子をいじめることが許されるのもそこまで。今度はおまえがいじめられる番よ。」

 

  はいってきたのは、背中いっぱいに黒髪を広げていた笠原亜里沙(かさはら・ありさ)という少女で、実は雅美の同級生であった。そして雅美を洗脳した張本人でもあった。小学校高学年では女子のほうが男子より身体が発達している場合も多く、里美子は小柄なほうだが亜里沙は身長も高く体型も大きかった。

 

  「この男の子はほんとうにいやらしいの。里美子さんとやら。よーく見ておいたほうがいいわ。うふふふ、おちんちんはおもいきり握って痛めつけたほうがいいのよ。こうやってね。」

「ぎゃあーっ!」

 

  亜里沙と里美子のふたりに一度に性器の両側からかみつかれ、雅美は痛がらずにいられなかった。

   

   

  雅美のクラスに亜里沙は転校して入り、ちょうど雅美のひとつ前の座席がそれ以前に転校していた児童がいたため、そこがあいていたので亜里沙はそこにすわることになり、亜里沙の大きく広がった黒髪をいやでも目の前にしていなければならなかった。そして、雅美の正面にも強い髪の香りが受けられていたのである。

 

  「ふあー。」

 

  髪の香りをかがされた雅美はその場でばたっと顔を伏せて寝込んでしまっていた。

 

  「雅美くん、寝ていちゃだめでしょう。」

「あの、先生、わたしも気分が悪くなったので、この子をいっしょに保健室に連れていけばと思うのですが。」

「まあ、転校してそうそうに亜里沙さんにはお手数かけるわね。悪いわね。お願いするわ。」

「はい。」

 

  スカートをはいていた亜里沙がその場で机に寝そべっていた雅美を抱きかかえて軽々と持ち上げ、教室内のほかの生徒をあぜんとさせていた。担任の女教師に快く送られて、亜里沙は雅美を抱きかかえながら教室から保健室に向かっていた。

 

  「うふふふふ。」

 

  教室を出た後の亜里沙に不気味な笑い顔が浮かんでいるのであった。

 

  保健室のベッドに寝かされていた雅美が目をさますと、はいていた半ズボンやパンツがずりおろされて性器が露骨にあらわになっていたことがわかった。しかも、その前には亜里沙が立っていたのである。

 

  「気がついたわね。」

「や、やだ、こんないやらしいことを…。」

「いやらしいのはあなたでしょう。やっぱりね。わたしの髪の毛を見て興奮してたんだわ。こんなにあなたの下着が濡れているし、おちんちんのまわりもべとべとよ。髪の毛に対していやらしい妄想をするんだから、わたしはこの髪の毛は切りたくないのに。いつもいやらしい目で見られてどうしようかと思うわ。」

「そんな…。」

 

  だが、雅美も事実を認めないわけにはいかなかった。たしかに、亜里沙の背中いっぱいに覆われた長い黒髪を目の前にして性器がたったりしたのは事実だった。

 

  「ふふふふ。許してほしければ、わたしの手下になることね。」

「ええ?手下って…。」

「うふふふ。」

 

  亜里沙の目が光り始めた。髪の毛が舞って雅美の性器に巻きつき始めた。

 

  「うわっ、もしかすると…。」

「そうよ。わたしは妖怪にされているの。あなたも妖怪になるのよ。」

「ううっ、く、苦しい…。」

「ふふふふ。この髪の毛からこのおちんちんにエキスが逆流してあなたの体内に入れば、あなたはわたしの思い通りに動くようになるのよ。」

「ああ、ああ…。」

 

  そして、雅美の頭からも黒髪がだんだん長く伸びていたのであった。

 

  「おほほほ。鏡を見てごらん。ほら。」

「ああっ。」

「女の子みたいに髪の毛を長くできてうれしいでしょ。そう思ったら、だんだん心も悪魔に変わってくるのよ。」

 

  雅美も、亜里沙と同じように髪の毛が腰に届くまで伸びていたのである。そして、自分の姿に今度はうっとりとなってしまうと、表情がだんだん不気味な笑いを見せるようになってきたのであった。

 

  「おほほほ。おまえの好きな三つ編みのおさげにしてあげる。」

 

  亜里沙がこうして二本ずつ雅美の髪を結い終えると、雅美もより興奮を高めていた。

 

  「くくくく、女の子を襲いたい…、髪の毛が長い子を…。」

「ふふふふふ。」

 

  こうして、雅美は亜里沙の手下になっていたのであった。

   

   

  いっぽう、夜中に公民館を抜け出していた百合子と孝子は、一連の事件を調べているかもしれないと思っていた妖怪研究所を訪ねていた。

 

  どういうわけか、夜中でも灯りがついていた、というより、夜中にこそ研究活動が精力的に行われているようであった。

 

  ふたりは、通りかかった女性の研究員に声をかけてみたが、まず図書室に行ってわからないことがあったらその専門の先生を訪ねてみてくださいとそっけなく言われた。

 

  「いちおう、行ってみようか。」

「そうね。」

 

  ふたりは図書室に行って、コンピューターの検索をかけてみた。

 

  「ねえねえ、百合子さん、髪の毛という言葉で検索したら、こんなのが見つかったわ。」

「ええ?なにそれ。なんかすごい気持ちの悪い化け物のような…。」

 

  画面に映し出されたおぞましい妖怪の姿をあぜんとしてふたりは見ていた。傍らには説明があった。「痴漢妖怪デビルヘアー」という名がついていたのである。

 

 

 「ある男の子の女の子に対する性欲が化身となって生れた妖怪だって。その男の子は長い髪の毛の女の子を見るとその子のことを好きになるというより、自分もその女の子みたいになりたい、つまり女の子みたいに髪の毛を長くしてみたいという欲望を感じるようになり、興奮して精液を出してしまう。その精液がたまって男の子

も吸い込まれ、妖怪に変身して女の子を襲うようになるという。襲われた女の子も手下の妖怪になって自分に気があると思う男の子を誘い出して仲間にしていく。つまり、髪の毛が長い女の子やそういう長い髪の者を好む男の子も狙われやすく、悪魔の手先になってしまうと言われる。子供たちの寝ている家の夜中にも現われてくる

とか、ちょっとこわい妖怪だわ。」

「まさか、おにいちゃんも、悦樹くんも…。」

「髪の毛長い女の子が好きだなんて、知らなかったわ。」

「ね、そういえばわたしたちのまわりで髪の毛長い子っていったら…。」

「ほら、幼稚園から小学校までいた子でいつもいちばん髪の毛長くしていた子いたわ。山硲雅也野(やまさこ・あやの)さんって、背も高かったしよけいに長く見えたわ。」

「いたわね。中学で私立の女子校に行ったけど。お尻をこえるぐらいあったわ、たしか。」

   

  その雅也野という少女が、百合子の兄である純三の目にとまっていたのである。制服を着て二本の三つ編みにまとめ、黒いヘアゴムをゆわえた毛先はお尻の横にまで届いていた。その後ろ姿を見て純三がひと目でどきっとなってしまい、そこをまた純三を手下にしている年下の少女、桐原真奈美に見すかされてしまっていた。

 

  「うふふふふ、あの女の子を見て興奮してたでしょ。もう、おちんちんがたってるわ。」

 

  純三は顔を赤らめて何も答えることができなかった。

 

  「ふふふふ。もうすぐあの子は落し穴に落ちるわ。そこをおにいちゃんが襲いに行くのよ。いいわね。」

「きゃあーっ!」

 

  真奈美の仕掛けた穴に、雅也野は入ってしまったのである。

 

  「ほら、いまよ。」

 

  真奈美にそそのかされて純三は雅也野のあとを追いに穴のなかへ入っていった。

   

  穴に落ちた純三は、雅也野のうつぶせになって倒れている姿を見つけ、すぐにその背中にとびついたのであった。その衝撃で雅也野も目覚めていたが、すでにいやらしい男の身体につかまってどうすることもできなかった。

 

  「ここは、うしろにいるのはだれ?きゃあー!」

 

  二本の三つ編みにしている超長い髪の毛を両方とも強くわしづかみにされて、雅也野は男の餌食にされようとしていた。

 

  (つづく)




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