お姉さまと呼ばれたくて02






季節は冬。木枯らしの吹き荒れる朝の道を、制服の上にコートを着込んだ学生達が単語カードを見ながら歩いていく。
私たち受験生にとっては憂鬱で疲れのたまる季節。
だが、私の心は驚くほど軽やかで、機嫌も最高に良かった。
「ふんふ~~~ん♪」
「つかさ、何かいいことでもあった?」
登校中も思わず鼻歌を口ずさんでしまう。
「ふふ~~ちょっとねー♪」
「この気の滅入る時期になにがあったのやら…あっ、こなたたちだ。おーい、こなたー、ゆたかちゃーん!」
お姉ちゃんは前を歩くこなちゃん達を見つけて声をかけた。
こなちゃんはゆっくりと振り返り、
「あら、かがみさん。つかささん。御機嫌よう」
キャラーン、という効果音と薔薇の花を背負って朝の挨拶をした。
「………」
「かがみさん、リボンが曲がっていてよー」
「きしょっ!触るな!」
かがみお姉ちゃんは薄気味悪そうにこなちゃんの手を払いのける。
「なんだっていうの?またなんかのアニメの受け売り?」
「はい。最近スト○ニにハマっておりまして」
「ったく、子供かっての。ゆたかちゃんも呆れてるわよ。ね、つかさ」
そう言って振り向いたお姉ちゃんとこなちゃんは、
「つかさお姉さま!おはようございます!」
「ゆたかちゃん、人前ではそう呼んじゃダメって言ったでしょ。ほら、リボンが曲がってるよ」
「………」
「………」
ピシッ、という音をたてて凍りついた。



「おね…先輩、朝が寒くなってきましたね」
「本当だね。朝起きるのとか登校とか辛い季節だよ。今は全然寒くないけどね」
「どうしてですか?息だってこんなに白いのに。カイロでもつけてるんですか?」
「だって、ゆたかちゃんが隣にいるから…」
「あ…お姉さま…」
「ほらまた。その呼び方は二人っきりのときだけだってば。私だって、『ゆたか』って呼びたいの我慢してるんだよ」
「あ、ごめんなさい、つかさ先輩…」
「いいんだよ。それだけ私のことを思ってくれてるってことだもんね」
「ねえ」
後ろを歩くお姉ちゃんとこなちゃんから遠慮がちな声がかかる。
「二人って…付き合ってるの?」
こなちゃんがおずおずと尋ねる。
「ん~~どうしてそんなふうに思うの?」
「だって…なんか…やけに仲がいいというか…」
「かがみ先輩、うらやましいですか?」
「なっ!」
ボッ!という音たてて真っ赤になったお姉ちゃんが一瞬こなちゃんを見たのを私は見逃さなかった。
「こなちゃん。私たちが仲良くしてるとお姉ちゃん寂しいんだって。お姉ちゃんを慰めてあげてね」
「ほほう…かがみんは寂しいのか。よちよち、おねーさんの胸に飛び込んでおいでー」
「ちっがーう!!」



放課後、私は一年生の教室へゆたかを迎えに行った。
クラスの子をつかまえてゆたかを呼んでもらう。
ゆたかはみなみちゃんと田村さんと話している途中だったが、私の姿を見つけると満面の笑顔になってやってくる。
「おね…先輩、お疲れ様です!」
「ゆたかちゃんもお疲れ様。一緒に帰ろ」
「はい!あ、みなみちゃん、ごめんね。私、つかさ先輩と帰るからみなみちゃんと田村さんは二人で帰ってね」
「あ、ゆたか」
みなみちゃんが一度は呼び止めるが、
「ごめん……なんでもない……」
かける言葉が見つからなかったらしく、あっさりと開放する。
「?じゃあね、みなみちゃん」
「うん。また明日ね、ゆたか」
ゆたかと挨拶するみなみちゃんと一瞬目があった。
その目に怒りの色が混じっていたのは気のせいではないだろう。
これで三日間連続でゆたかちゃんを連れてっちゃったからね。
みなみちゃんのゆたかに対する気持ちは明らかに友情ではなく愛情だ。衝突は避けられないよね。
ま、近いうちに決着をつけるけどさ。



ゆたかと一緒にいるのは本当に楽しい。
話しているのは他愛もない話題。
学校生活のこと、勉強のこと、日常の出来事などなど。
でも好きな人と、いや、恋人と過ごす時間はそれだけで宝石のように輝いていた。
この時間をもっと長く、永遠のものにするため、私はかねてより準備していた計画を開始する。
「ゆたか」
私は隣を歩く愛しい人に声をかける。
「はい、お姉さま……あっ!」
ゆたかの頬をそっと両手で包み、目線を合わせる。
「おねえ…さま…」
「いい子ね、さぁ力を抜いて。頭がぼんやりとして、とってもいい気持ちになるよ」
私の催眠の力で、ゆたかの表情はたちまちトロンとしたものに変わる。
「ゆたか、これから私の家に行こっか」
「お姉さまの……家」
「ゆたかは私と、少しでも長く一緒にいたいよね」
「はい……一緒にいたいです」
「家に来るともっと一緒にいられるよ」
「一緒に……いられる……」
ちなみに、今家にはだれもいない。
お父さんとお母さんは神社のお仕事。
いのりお姉ちゃんとまつりお姉ちゃんも友達と旅行で、みんな明日の夜まで帰ってこない。
かがみお姉ちゃん?
かがみお姉ちゃんはこなちゃんちへお泊り。
かがみお姉ちゃんには『自分に素直になる』暗示をかけておいたから今夜はお楽しみかな。
「じゃ、ゆたかちゃん、行こっか」
「あ……はい、お姉さま…」



ゆたかを自分の部屋に招き入れ、飲み物をもってくる。
「ここが、お姉さまの部屋……」
「こら、あんまりきょろきょろしないの」
やっぱりゆたかは可愛いなぁ。
ジュースをのみつつ雑談を楽しむこと数十分。
不意に会話が途切れて沈黙が訪れる。
(今がチャンス!)
そっとゆたかの隣に座って、肩を抱きながらささやく。
「ゆたか、保健室での出来事を思い出して」
「ぁ………」
ゆたかの頬が赤くなって、少しずつ息が荒くなっていく。
「あのとき、ゆたかはどんな気持ちだった?」
「……ぁ……ぅ」
ゆたかはもじもじと膝を擦り合わせ、顔を赤らめながら口を噤んだ。
「正直に言いなさい」
恥ずかしいのか黙ってしまったゆたかに正直に答えるよう促す。
「は、はい……あの……とっても……エッチな気持ちに、なりました……」
小さな声で、だけども正直に告白した。
「ゆたかは、キスするとエッチな気持ちになっちゃうんだね」
「……は……い」
「じゃあキスしよっか」
「えっ、あ……んむっ」
返事が返ってくる前にゆたかの唇をふさぐ。
「ん、んんっ」
ゆたかの身体からたちまち力が抜け、キスの魔力の虜になる。
「ふ…ん……ちゅ……くちゅ、ん……ちゅ」
舌と舌が触れ合い、いやらしい水音が響く。
「ちゅ…ん…はぁ」
そっと唇を離すと、私とゆたかの口を銀の糸が結ぶ。
「お姉さま……私……」
「ん?どうしたの?ゆたか」
「私…なんだか……とっても、エッチな気分に……だから、あの……」
ゆたかの瞳はうるんで、顔は赤く染まり、息も荒くなっている。
「あの……えっと……」
「どうしたの?はっきり言わないとわからないよ」
発情してしまっているのは明らかだが、私はゆたかの口から決定的な言葉が聞きたくてわざとじらした。
ゆたかはしばらく欲望と格闘していたようだが、
「……………私を……抱いて…ください」
ついに陥落した。
「よく言えました♪」
言いながら、服の上からゆたかの胸に触れる。
「ふぁっ!あ、ああ……」
軽く触れただけなのに、ゆたかの口からは甘い声がもれる。
「ゆたか、かわいいよ……」
「は……っ……お姉さま、キス……して……んんっ」
胸を弄りながら再び唇を合わせる。
「んんっ!ふ……ふぁ……はぁ、ああっ!」
「ゆたか、んっ…敏感なんだね。直接触ったらどうなるのかな…」
「あっ……はぁ……おねえさまぁ」
メロメロになっているゆたかの耳元でそっと囁く。
「続きをして欲しかったら……ふふ、わかるよね」
「はぁ……はぁ……はい……」
快感の虜となったゆたかは、恥じらいながらも着ているものを脱ぎ捨てて、生まれたままの姿になった。
「ゆたか、きれいだよ」
愛しい人への最大の賛辞をおくりながら、胸への愛撫を再開する。
「ふぁっ!ぁあ、気持ち……いい!ああ!」
「すごい……さきっぽがツンってとがってるよ……」
「ああっ!そこは……だめ……ですぅ」
「ダメじゃないでしょ、触って欲しくてたまらないくせに」
勃起しきった胸の先端をこするように刺激する。
「あああっ!だめっ、だめぇっ!」
ゆたかはイヤイヤをするようにして快感から逃れようとするが、私はキスで逃げ道をふさぐ。
「んっ、ちゅ……はぁぁぁ……だめぇ…」
「そんなトロトロな表情で言われても、説得力ないよ、ゆたか」
「だめっ!私…私っ!あっ、ああああ~~~!!!」
びくっ!とゆたかの身体が震え、がくっと崩れてしまう。
「はぁ……はぁ……」
「ゆたか、もしかして、イッちゃった?」
「~~~~~!!」
図星のようだ。
「胸だけでイッちゃったんだ~。そういえば前もキスだけでイッちゃったし、ゆたかはエッチだね」
「っ!」
からかうように言うと、ゆたかは怒ったような視線を私に向け、
「わっ!」
私をベッドに押し倒した。
「私だけなんて、不公平です」
「ゆ、ゆたか?」
「お姉さまも、気持ちよくなってください」
私のショーツを脱がしながら、上目づかいで反撃にでた。
「ち、ちょっと、そこは……」
「大丈夫です。私にまかせてください。私、シテあげますから……」
反論は一切受け付けてもらえず、ゆたかは私の女の子の部分にそっとキスをした。
「んっ!」
ピリッと電気が走るような間隔が下半身から全身に広がっていく。
「ん……ちゅ」
「ふぁぁ……あ、あぁ」
さっきまでと攻守が完全に逆転し、私はゆたかの与える快感に翻弄されてしまう。
「は……ん、んぅん」
「お姉さま…ん…あむ…気持ち…いいですか?」
ゆたかの唇が私の花芯を弄り、舌がクリトリスを舐め、私の身体は抗いがたい快感に支配される。
だけどこのままされっぱなしというのも面白くないので、少し趣向を凝らしてみることにした。
「ゆたか、私のアソコを見て」
「え、あ……」
「よ~く見て。目を逸らさないで」
ゆたかの意識が私のアソコに釘付けになる。
「ゆたか、私のアソコを見ているとだんだんオナニーがしたくなるよ。オナニーがしたくてたまらなくなる」
「う……ぁ……」
「ほぅら、したくなる。したくてたまらない。オナニーがしたくて我慢できない」
「ぅ……ぅぅ……」
私はそっとゆたかの手を取り、彼女の秘所へと導いてあげた。
「ほら、指が勝手に動き出すよ。自分の気持ちいいところを触りはじめちゃう」
「ぁ……ぁぁ」
とうとうオナニーの欲望に屈し、ゆたかは自分を慰めはじめた。
「は……ぁぁ……あん……」
「ほら、私のこと忘れないでね」
自らの与える快感に酔いしれるゆたかに、私は見せ付けるように股間の割れ目を開いて見せた。
「舐めて。ココから出るお汁を飲むと、もっと気持ちよくなれるよ」
「ん……んんっ、んむっ……はぁん……ぁぁ」
ゆたかはさっきよりも激しく私の秘所に舌を這わせ、少しでも愛液を湧かせようとクリトリスにキスの雨を降らせる。
「んんっ!あっ!ゆたか……激しすぎ……っ!」
「だって……私……ガマンできなくて……」
言い訳をしながらも私と自分への愛撫は止まらない。
「ちゅ、はぁ……ごめんなさい……私……こんなに、エッチで……」
目に涙をうかべて許しを請いながらも行為を止めることのないゆたかの姿はどこまでも淫らで、どこまでも愛しかった。
「いいんだよ、ゆたか。エッチなゆたかも、私は大好きだから」
「んんっ!ちゅく……おねえ……さまぁ……」
「はぁ…ゆたか、そろそろっ……私っ!」
「イッてください、お姉さま……私と……一緒にっ」
「う……んっ!イこう、ゆたか」
「つ……かさ、おねえ……さまぁぁっ!ああっ!」
この上なくエッチな体勢で、私たちは同時に絶頂を迎えた。
「はぁ……はぁ……ぁ…は……」
「はぁ、ゆたか…大丈夫?」
二人してかなり激しく乱れてしまったため、ゆたかの体調が少々心配になった。
「はぁ……はぁ……大丈夫です…お姉さま」
「本当に?無理したらだめだよ?」
私との行為が原因で身体を壊すようなことがあってはならない。
しかしゆたかは、
「本当に……大丈夫です。それよりも……お姉さまと、一つになりたい」
まっすぐに私を見つめ、私と一つになることを望んでくる。
「わかった。ゆたか、足を開いて」
私も着ているものを脱ぎ捨ててゆたかと向かい合い、ゆっくりと女の子の部分を合わせる。
「ふあぁぁぁぁぁっ!」
「ああっ!ゆたか、愛してる!」
二人の大事な所からくちゅくちゅといやらしい音が響き、もたらされる快感に理性が溶かされ、互いのことしか考えられなくなっていく。
花芯が触れ合い、勃起したクリトリスがこすれ合い、互いの愛液が混ざり合い、二人が一つになる快感が全身を支配する。
「お姉さまぁっ!愛してます、愛してますっ!」
「ゆたか……いつまでも、っ……一緒だよ!」
切なく、甘い快感に導かれ、私たちは永遠に一つになった。



次の日、私たちは手をつないで登校した。
「おーい!つかさーゆたかちゃんー」
「つかさ、ゆーちゃん、おはよー」
後ろからこなちゃんとかがみお姉ちゃんがやってくる。
「おはようございます」
「おはよー」
そっと二人に近づき、ゆたかに聞こえないようにささやく。
「サクヤハオタノシミデシタネ」
「「っ!」」
二人の顔が一瞬にして真っ赤になる。
「つかさぁっ!」
「あはは~」
四人でじゃれあいながら校門をくぐり、下駄箱へと向かう。
「ん?」
私の下駄箱の中に一通の手紙が入っていた。
こなちゃんたちに見つからないように内容を確認する。
『お話したいことがあります。昼休み、屋上で待っています。』
チェックの封筒に収められた手紙にはそう書かれていた。
差出人は書かれてなかったが、見当はついている。
手紙を鞄にしまい、こなちゃんたちと合流する。
「おはようございます、つかささん」
「つかさ先輩、おはようございます」
ゆきちゃんとみなみちゃんも合流し、朝の挨拶を交わす。
だがみなみちゃんの瞳には、明らかな敵意と憎悪の炎がともっていた。
どうしてだか、昨日ゆたかが私の家にお泊りしたことを知っているようだ。
くすっ。いいよ、私は逃げも隠れもしない。
ゆたかは私のものなんだ。それをはっきりとさせてあげるよ。
あはっ、あはは、あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは








暗黒催眠空間トップページ