『大きな数』01

☆登場人物☆

・理奈…算数が大好きな小4の女の子。
・優衣…算数が苦手な小4の女の子。
・涼子先生…理奈と優衣のクラスの担任。
・ママ…理奈のお母さん。
・マリア…イタズラ好きな催眠術師。話の途中で≪≫を使っていろんな暗示を刷り込んでくる。


【@今日の宿題】

理奈は、算数が大好きな女の子です。
計算したり、数を数えたりするのが楽しいからです。
一、十、百、千。
この辺は、ママがお金を数える時によく出てきます。
一円、十円、百円、千円…。
単位が上がると、0がひとつずつ増えていくんですよね。
そして、万、億、兆。
万以上は、単位が上がると、0が四つずつ増えていくのも知っています。
百万円とか、十億円とか、一兆円とか…。
テレビのニュースとかでたまに聞く単位です。
ですが、理奈はまだ、そういう大金を見たことがありません。
でも、一万円札の束がトランクの中とか、金庫の中とかにたくさん入って
いるイメージは持っています。

今日の算数の授業で、初めて兆より大きい単位があることを知りました。
担任の涼子先生が教えてくれました。
兆の次は「京(けい)」って言うんですって。
その次が「垓(がい)」。
で、途中いろいろあって、一番大きいのが「無量大数(むりょうたいすう)」って
言うらしいです。
理奈は、教科書を開いてしばらく眺めていました。
「無量大数かぁ!0が68個もつくなんてスゴイ!」
理奈は、興奮気味です。
今日の算数の宿題は、『大きな数』の単位を全部暗記すること。
「よぉし、頑張るぞ」
理奈は、大きな数の単位を唱え始めました。
「一、十、百、千、万。
億、兆、京(けい)、垓(がい)、禾予(じょ)、穰(じょう)。
溝(こう)、澗(かん)、正(せい)、載(さい)、極(ごく)。
恒河沙(ごうがしゃ)、阿僧祇(あそうぎ)、那由他(なゆた)、
不可思議(ふかしぎ)、無量大数!」


≪ふふっ。こんにちは。私は催眠術師マリア。
お話の途中だけど、あなたにちょっとイタズラしちゃうね。
イタズラされるの、嫌?…ふふっ、嫌なわけないわよね。
だって、あなたは気持ちよくなりたくて、この音声を聞いているんだもの。
ね、そうでしょ?

仰向けに、寝転がって。目を閉じてなかったら、ここで閉じてね。
呼吸を整えて。そして、体の力を抜いて、リラックスしてね。
あなたは、私の声を聞いているだけで、とても気持ちよくなっていくよ。
だって、私の声には癒しの効果があるんだもの。当たり前よね。
ほら、どんどん気持ちよくなっていく。
両耳から、私の癒しの言葉がどんどん脳へ送られていくの。
この気持ちいい声をずっと聞いているとね、あなたの脳はとろとろに溶けて
いっちゃうの。甘〜いクリームみたいになっちゃう感じかな。
でも、それはとても自然なことなんだよ。何だか頭がぼ〜っとしてるね。
でも、それがすごく気持ちいいよね?もっともっと気持ちよくなっていいんだよ。
脳が気持ちよくなると、体の力もふわ〜っと抜けていくの。
ほら、どんどん体の力が抜けていくよ。
ふわ〜り、ふわ〜り、気持ちいい。風船になって浮いているような感覚。
とっても気持ちいい。ずっとこうしていたいね。
もっと力が抜けるよ。す〜っと抜ける。体の力がどんどん抜けていく。
…ず〜んと落ちていく。心と体が、深〜いところへ落ちていく。
まだまだ力が抜けるよ。気持ちいい感覚が体中にどんどん広がっていくね。
…深〜いところへ落ちていく。ず〜んと、落ちる。どんどん落ちる。
意識は、闇の世界の深〜いところへ沈んでいく。深い、深〜いところへ…。

頭がふんわりしてる。目の前は真っ暗。今、どこにいるんだろう?
別にいいじゃない、どこでも。だって、こんなに気持ちいいんだもの。
体がふんわり、風船みたい。ふんわりと浮いている感覚が、気持ちいい。
さあ、これからもっと気持ちよくなるために、さらに深いところへ落ちていこうね。
いいのよ、楽しいこといっぱい想像しても。期待した分だけ、楽しくなれちゃうよ?
ほらっ!落ちる、落ちる、どんどん沈んでいく。ず〜んと落ちていく。何だか楽しい。
深〜い闇の中へ消えていく。意識が深〜いところへ沈んでいく。
ふふっ。楽しいことが、あなたを待っているわ。…じゃあ、またね。≫

-続く-




















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