忍び寄る世界 連鎖する反応


時代が進むにつれて、どんどん上にのびていくマンション。
最近では、ワンルームマンションでさえも、高層と呼ばれるものになっている。

そんな都会のワンルームマンションの32階の一室。
OLのゆいは、多忙な仕事から帰ってきて一人のご飯を済ませると、テレビもつけっぱなしでテーブルにつっぷして突っ伏して眠り込んでしまっている。

すでに時計は2時を回り、画面は音もなく朝まで終わることのない砂嵐が続いている。
いつもは好きなドラマを見てお風呂に入り、きちんと眠る生活をしているのだが、今日は野球の延長試合の為にドラマがなかったので
しかたなく、このマンション専用のケーブルテレビの特別番組を見ていた。

あまり興味のない番組が続いている間に、どうやら眠り込んでしまったらしい。

画面上で繰り広げられる砂嵐。
突然画面が一瞬何かの信号をキャッチしたかのように乱れたあと、砂嵐が徐々に規則正しい動きにかわった。

ゆっくりとした渦をえがくような動きにかわり、画面の真ん中にうすぼんやりと明るい色の固まりが形作られていく。
それはだんだんと、女性の姿へとかわり、ぼやけた輪郭もすこしずつはっきりしていく。

いつのまにか、画面上には怪しげな雰囲気をたたえた女性が一人映っているのみとなっていた。
女性は、画面の外の様子を知っているかのように、テーブルで眠るゆいをまっすぐに見つめている。

「ねぇ、起きなさい」

画面上の女性がゆいに話しかける。

「起きなさい」


テレビの中の女性が発する声を、ゆいは眠りながら聞いている。

「起きて、あたしをみるの」

落ち着いた、それでいて意思の強い声がゆいに話しかける。

夢から覚めやらぬぼんやりした頭で、ゆいは画面の女性をみる。

「あれ?こんな時間までなにか番組をやってるんだー」

そんなゆいの寝ぼけた頭を先導するように、女性の声は続く。


「あたしの手に持っているこの石。とてもきれいだと思わない?」

女性は言葉を続ける。

「この石は、人の心を吸い込む石。眺めていると、どんどんゆったりとした気持ちになってくるの」


言葉につられて、ゆいは女性の持つ石をぼんやりと眺める。たしかにゆったりとした気分になっている気がする。

「石をもっとよく眺めなさい。その中に、ぼんやりとした光がみえるでしょう。
それがあなたの居場所。あなたが仕事なんかのごたごたから離れて、一番リラックスできる場所。見えるわよね。」


女性の言葉は、ゆいの思考を石の中へと引き込むように先導する。
ゆいは自分で考える間もなく、言葉にゆられて石の中へと。
そして、居るはずのない相手に答える。

「うん。見える。なんか暖かい光が。石の奥の方に見える」

夢から覚めやらぬ頭は、誘導にはまりやすいようだ。



画面の女性は、そのゆいの声が聞こえたかのように言葉を続ける。

「その暖かい光が、だんだん大きくなっていくの。大きくなっていくにつれて、あなたのこころもだんだん石の中へと吸い込まれていく。
暖かい光は、あなたを包み込んで、守ってくれる。そして、暖めてくれる。

ひかりが大きくなっていくのがわかる?
わかったら返事をしなさい。」

ゆいに考える暇もあたえずに続く声は、ゆいの心を巧みに絡みとっていく。

「だんだん光が大きくなってきた。なんだか体が暖かい。光に吸い込まれていくみたい」

そう答えるゆいの表情は、だんだん弛緩したような表情へとかわっていく。


「この石は、あたしの心でもあるの。
あなたがこの石に入って行くにつれて、あたしの心とも同化していく。
あたしの心は、あなたの心。あたしの言葉が、あなたの言葉」

女性は言葉を続ける。
それに答えるようにゆいはつぶやく。

「あなたの心は、わたしの心。あなたの言葉が、わたしの言葉」

テレビの中の女性はふふっと笑みを浮かべ、さらにゆいを強く見つめる。
どこなく女性の目の色が赤くなり、輝きを増したような気がした。

「もうすっかり光につつまれたようね。あなたはとても素直ないい子。
あたしのことは、お姉様と呼んで頂戴。」

「ありがとう。お姉様」

ゆいが答える。

「じゃあ、かわいいあなたにはご褒美をあげる。あまいあまい、体がとろけるようなご褒美」

女性がそう言うと、女性の体から光が発し始める。
その光をうけて、ゆいの体はだんだんと熱を帯び始める。

「なに、この不思議な感覚。体が熱くなってくる…」

とまどうゆいをよそに、体はどんどん反応していく。
あまり経験を知らない下半身から、どんどん蜜が溢れ出していく。

「この感覚はなに?なんか変…どうしたらいいの?」

やり場のない感覚に、体をもじもじくねらせるだけでどうしようもなくなるゆい。

「そう、あなたはまだ、自分の体の火照りを癒すことを知らないのね。
あたしの考えはあなたの考え…あたしの思いはあなたの思い…
さぁ、あなたの湿ったところを触りたいわねぇ。」

「触りたい…」
つぶやくゆいの右手が、蜜のあふれる入り口へと伸びる。
触れかけて、まだ自分では触ったことのない部分への恐怖に手が止まる。

それを察すかのように女性の声が続く。
「大丈夫。怖がらないで。あたしと同じように触ってみるの」

いつの間にか画面の女性は全裸になり、股を大きく開いてこちらに向けている。
女性の姿は見たことのないほどに美しく、しっとり湿った瞳でこちらを誘うように見ている。
長くすらりと伸びた手が、女性の股間に伸び、その指で湿った部分をなでている。

「ああん…ここがとっても気持ちがいいの。あなたも同じように気持ちよくなりたいわよね」
怪しいほどに艶かしい声で、喘ぎ声を押し殺すようにしゃべる。

「わたしもお姉様みたいにきもちよくなりたい…」

伸びかけて止まっていたその指が、触れたことのない部分に触れる。

「ああーん」

いままで感じたことのないほどの快感が、かみなりのように体を駆け巡り、おもわず体をビクンとふるわせて
はしたない声をあげてしまう。

「どう?気持ちいいでしょう。その指をゆっくり動かすの」

やさしく女性はゆいに話しかける。

「気持ちいい…」


女性にいわれるでもなく、ゆいの指はさきほどまで感じていた恐怖も忘れて、快感を求めてうごき続ける。

「あん… きもちいい… ああん…」


深夜の部屋に響く声はとどまることをしらない。

「そんなに感じちゃって… 気持ちいいのね。
あたしの声を聞くたびに、あたしの目を見つめるたびに もっともっと気持ちよくなっていくわ。
そしてあなたのゆびはもうとまらない。どんどん奥まで入って行く」

ゆいは完全に惚けた顔で、画面の女性をいっしんに見つめている。
その指はもはや ゆいの指ではなく、画面の女性の意思にしたがって動く指となり
恐怖も感じることもなく、ただ快楽を求めて奥へ奥へと動く。

「あん… だめ… もうだめ… 感じすぎちゃう…」

どんどん昇りつめて行くゆいに女性は言う。

「どんどん感じるの。指はもっともっと激しく動く。どんどん感じるけど、あたしがいいというまでどれだけ動かしてもイけない。」

ゆいは、ながれる涎も気にせずに、一心不乱に指をうごかしつづける。

「ああ、だめ。イきそう… でも、イけない。ああん。壊れるー」

乱れるゆいの姿を楽しむように画面の女性は続ける。

「イきたいの?いままでにないくらいに感じてるのに、もっともっと感じたいの?」

それに答えるように

「イきたい。おねがい、イかせて。もっともっと気持ちよくさせてー お姉様」


「あたしの導きでイってしまったら、もうあたしから離れられなくなるよ。それでもいいの?
いいのなら、あたしに誓って。『わたしはあなたの奴隷人形。あなたの導きが欲しい。わたしの心を石に縛ってください。』って」


もう快楽のことしか考えられないゆいの頭は、悩むことなく言う。

「もうだめ。我慢できない。わたしはあなたの奴隷人形。あなたの導きが欲しい。わたしの心を石に縛ってください。」


にやりと笑いながら女性は最後に話しかける。

「これからあなたの指は動き続ける。それにしたがって、快楽は2倍3倍へと増して行く。
この画面が白く光るたびに、快楽が波のように体に落ちてくる。どんどん感じなさい。
そして、あたしが逝けと言ったらイくの。」

話を聞いているのかも定かではないような表情を浮かべるゆい。でも指の動きが早まったのと
いっそう大きさをました喘ぎ声からすると、女性の言うがままに快楽が増しているのだろう。

ときおり画面がひかる度に、ゆいの体を信じられないほどの快楽がはしり、叫び声ともとれるような
喘ぎ声が響き渡る。

「さぁ、もっと感じるの。あたしを感じるの。もうもどれないわ。どんどん快楽を追求したい。
もっともっと気持ちよくなりたい。感じる、感じる」

女性は徐々に声を大きくして、ゆいを焚き付ける。

「そのまま、なにも恐れないで、快楽に集中して。そのままいってしまいなさい」


その声に安心したかのように、ゆいのからだは弓なりにのけぞり、おおきくビクンビクンと痙攣をしたと思いきや ぐったり倒れこんでしまった。
ちいさく痙攣するゆいの体。弛緩して、快楽に浸り込んだ表情は、幸せを浮かべている。

ひとしきり痙攣を繰り返した後、ふかく眠り込んでしまったゆいに、女性は話しかける。

「よくイけたわね。いままで知らなかった快楽。これからもっともっと教えてあげる。
体の奥底に埋め込んであげるね。かわいい子。
明日もこの時間に逢いましょうね。じゃあね、魔石の奴隷よ。」

つづく

















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