『えっと……明くん、お久しぶり。最後に会ったのは高校三年生の時だから……四年ぶりってことになるのかな。

今まで何してたんだって言われるかもしれないけど……明くんに、どうしても伝えたいことがあるんだ。

だからもし、まだ私の事好きでいてくれるなら……□月△日に○○県の、××××って所まで来てくれないかな?

私からの、お願い……それじゃ、待ってるからね!』

 

 

 

「……十中八九、罠だな」

 ビデオを見終えるなり、師匠はそう口にした。

「……それ以外の可能性は?」

「ない、と言っていいだろう。まず間違いなくな」

「けど……じゃあこのビデオに写っているのは誰なんです?」

 そう尋ねると、師匠は顎に手を当てて考え込む素振りを見せた。

「……生き別れの双子の姉、あるいは妹という線はないのか?」

「そんなドラマみたいな展開、あるわけないでしょう。大体先輩は一人っ子です」

「ならば……よく似た別人と考えるのが妥当だろう」

 恐らくはその可能性が高いだろう。だが、それならば新たな疑問が発生する。

「その別人が、何でこんなビデオを送ってくるんです?」

「……何か心当たりはないのか?」

「残念ながら、今のところはありませんね……師匠の方にはないんですか?」

 尋ねてみると、師匠は再び顎に手を当てた。

「……無いな、多分」

「多分って何ですか」

「いや、まあ……あんまり気にするな。もしそうだとしたら、お前じゃなく私の方に何かしらの接触があるはずだからな」

 そう言うと師匠は、これ以上聞くなと言わんばかりに手を振って見せた。私は師匠を怒らせるつもりなど毛頭無いので、それ以上の追求は止めにする。

「もしもの話ですが……先輩が生きていたとしたら」

「……明、気持ちはわかるがそれは無い。あいつは間違いなく死んだ」

「……確かに、そう考えるのが自然なんでしょうね。けど、私は先輩が死ぬ場所を直接見たわけじゃない」

 私の態度に、師匠は溜息を一つ吐いた。

「……希望にすがりたいのは理解できる。だが良く考えてみろ。もしあいつが何かの偶然で生きていたのだとしたら、何故今になってこんなビデオを送りつけてくる? あいつがそんな回りくどい手を使うとでも思うか?」

「何か、事情があるのかもしれないじゃないですか!」

 思わず私は怒鳴っていた。だがすぐに我に返り、慌てて師匠に謝る。

「……すみません」

「全く、この馬鹿弟子が……で、どうするつもりなんだ?」

「この場所に……行こうと思っています」

 再び、溜息を吐く師匠。

「わざわざ、危険に首を突っ込むとは……つくづく馬鹿だな、お前も」

「危険なのはわかってます。けど……少しでも可能性があるなら、私は……」

「やれやれ……で、何か頼みがあるんだろう? さっさと言え」

 師匠は昔と変わらぬ無愛想な態度で、そう言った。

「はい、実は……もし私が一週間経っても戻ってこなかった時に、私が朝倉麻衣という子にかけた暗示を解いて欲しいんです」

「朝倉麻衣……確か、お前の今の彼女だったな。だが、何故私に頼む必要がある? お前がかけた暗示なら、自分で解けばいいだろう」

「そういうわけには、いきませんから……」

「ふむ……」

 仏頂面のまま、黙り込む師匠。しばらくの後、師匠は再び口を開いた。

「……その前に、一つ聞いておこう。もしお前が万に一つの確率であいつに会えたとして、あいつが再びお前と付き合いたいと言ったらどうする?」

「その時は、断ります」

「……即答とは意外だな。少しは悩むかと思ったが」

「先輩の事は今でも好きです。けれど、今の私にはあの子がいますから」

 私がそう言うと、師匠は顎に手を当てて考え込むような素振りを見せた。

「ということは……お前は、その朝倉麻衣という女と別れたいわけではないのだな?」

「ええ。私は彼女の事が好きですから」

「なら……暗示を解いて欲しいというのは、その女のためか?」

「ええ。もし私が何らかの理由で戻れなくなったのなら……彼女には私の事を忘れてもらった方が、きっと幸せになれると思いますから」

「そういうことか……わかった。その頼み、聞いてやろう」

「ありがとうございます、師匠」

 私は師匠に向かって頭を下げた。

「……精々死なんように気を付けろ」

「はい、気を付けます。では……」

「ああ、行って来い」

 私は、師匠の家を後にした……。

 

 

 

「あっ、先生! おかえりなさい」

「麻衣ちゃん……ひょっとして待ってたの?」

「はいっ!」

 一旦荷物を取りに家に戻ったところで、麻衣に会った。彼女は嬉しそうな笑顔を浮かべながら、こちらへと近づいてくる。

「麻衣ちゃん……こんな遅くまで出歩いてて、お家の人とか心配しない?」

「うっ……でも今日はどうしても、先生に会いたかったんだもん……」

「会いたかったって……どうして?」

「昨日、先生様子変だったから……何かあったんじゃないかと思って」

 どうやら知らず知らずのうちに心配をかけていたらしい。私は笑顔を浮かべながら、麻衣の体をそっと抱きしめた。

「んー……ちょっと色々あってね。明日、出かける用事が出来ちゃったんだ。もちろんすぐに帰ってくるつもりだけどね」

「そう、ですか……わかりました。でも、出来たらその前に……」

 何も言わず、麻衣は私の体を強く抱き返してくる。

「……抱いて、欲しいの?」

 私の問いに、麻衣は首を縦に振った。

「そっか……わかった。じゃあ部屋に行こうか」

「はい……」

 私は麻衣の手を引き、家の中へ入った。

 

 

 

「んっ……ちゅっ……ふぁっ……」

「んんっ……むっ……はぁっ……」

 玄関を開けて上がりこむなり、私たちは濃厚な口付けを交わしていた。互いの舌を絡め合い、唾液の交換を続ける。

「っはぁ、はぁ、はぁ……せんせぇ……」

 先に堪えきれなくなった麻衣が唇を離し、とろんとした目付きで私を見つめる。そんな彼女を前に、私の中に二つの感情が生まれる。こんなにも可愛い彼女を大切にしたいと思う気持ちと、こんなにも可愛い彼女だからこそ滅茶苦茶にしてやりたいという相反する感情。

 私はためらわず、後者の感情に身を任せた。逸る気持ちを抑えながら彼女の服のボタンを外し、むしゃぶりつくようにして彼女の乳首に吸い付く。

「ふあっ……せ、せんせぇ……」

「気持ちいいかい、麻衣ちゃん?」

「いっ、いいですっ……ああっ!」

 私は執拗なまでに乳首への愛撫を続けた。舌で舐め転がし、吸引しながら、時折甘噛みを加える。無論その間に右手でもう片方の胸を、左手で彼女の股間を愛撫することも忘れない。

「ふああっ、あっ、あああっ!?」

 ビクビクと体を震わせ、麻衣は叫んだ。どうやら軽くイッてしまったらしい。

「はぁ、はぁ……先生……」

「ふふ、イッちゃったのかな? でも、まだまだこれからだよ」

 私はベルトを外し、ズボンをトランクスごと脱ぎ捨てた。そして麻衣の下着も脱がし、既にいきり立っていたモノを彼女のワレメにあてがう。

「いくよ、麻衣ちゃん」

「はい……ふっ、ああっ!」

 ぐいっと腰を押し進め、麻衣の中に進入する。彼女の中は既に十分すぎるほど潤っており、私のモノをすんなりと飲み込むと、絡みつくようにして責め立ててきた。今まで何度も味わったことのある感触だが、まるで飽きる気がしない。

「動くよ、麻衣ちゃん」

 宣言し、腰を動かし始める。奥へと突き込む度に、麻衣は声をあげて喘いだ。

「はぁっ、うああっ!? せ、せんせぇ……もっと、ゆっくりぃ……」

「ごめん、麻衣ちゃん。ちょっと、手加減できそうにない……」

「そ、そんなぁ……ふああっ!? そこっ、だめええっ!」

 腰をくねらせて、快感の声をあげる麻衣。もっと彼女を感じたい、もっと彼女を鳴かせたい。そんな感情が私の頭を支配していく。

「ひゃっ、ふああっ!? うあっ、あああっ! わ、私……もう、もうっ!」

「いいよ、イッても! 何度でもイかせてあげるから」

「ふっ、ああっ……あっ、ああああああ――――っ!?」

 大きく体を震わせ、麻衣は達した。だが、それでも私は腰の動きを止めない。

「ひっ、ひあああっ!? せ、せんせぇぇぇ!」

「手加減できそうにないって、さっき言ったでしょ? ほら、もっと感じていいよ」

「はっ、はああっ!? だっ、駄目っ! さっきイッたばかり……あううっ!?」

 麻衣の抗議を黙殺し、ひたすら腰を突き上げる。

 そうこうしている内に、私も限界が近づいていた。ラストスパートとばかりに激しく腰を動かし、麻衣の体を何度も貫く。

「あっ、ああっ! だめっ、だめぇっ!? わっ、わたし、またっ……!」

「いいよ、今度は一緒にイこう」

「はっ、はいっ! ふっ……はああっ!?」

 トドメとばかりに、私は肉の楔を彼女の奥深くに打ち込んだ。それと共に彼女の中が収縮し、陰茎を強く締め付ける。

「あっ……ああああああ――――っ!?」

「くっ……!」

 そして、私たちは同時に達した。

 

 

 

「すう……すう……」

「ふふ……可愛い寝顔だね」

 自分の腕の中で眠る麻衣を見下ろしながら、私は彼女の頭を撫でた。時折「んっ……!」と呻くが、目覚める様子はない。

「麻衣ちゃんのためにも……絶対に、帰ってこないとね」

 そう自分に言い聞かせながら、私はしばらく彼女の頭を撫で続けていた……。




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